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8月3日 22:01
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次期GPT系モデルかもしれない「Horizon Beta」のコーディング性能を検証する

次期GPT系モデルかもしれない「Horizon Beta」のコーディング性能を検証する

2025年7月30日、OpenRouter上に「Horizon Alpha」という詳細不明のステルスモデルが登場しました。その後「Horizon Beta」という名前に置き換わりました。このモデルは、OpenAIの次期モデルのテスト用ではないか?と注目を集めています。今回は、このモデルの性能をコーディングタスクで検証しました。 https://openrouter.ai/openrouter/horizon-beta 特徴 * コンテキストウィンドウ: 256K(GPT-4.1の1M、o3/o4-miniの200Kと比較して中規模) * スループット: 126.9 tps(Sonnet 4の64.50 tpsの約2倍。コーディング時に体感で早い) * Reasoning機構: なし 本当にOpenAI系のモデルなのか? OpenAI系のモデルである可能性が議論されています。過去にもQuasar Alpha/Optimus AlphaがGPT-4.1リリース前に登場した経緯があり、今回も同様のパターンかもしれません。 直系のGPT-5ならコンテキストウィンドウは1M

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Serena MCPはClaude Codeを救うのか?

Serena MCPはClaude Codeを救うのか?

「Claude Codeがアホになる問題」が勃発している最中、SerenaというMCPサーバーが「Claude Codeのコンテキスト消費を削減し、応答を改善する」という評価でユーザーたちの間で注目されています。 筆者も実際にSerenaを使ってみたところ、確かにコンテキスト効率の改善(入出力トークンの減少を指します)を実感できました。詳しく調べてみると、このツールは非常にユニークな発想で設計されており、一過性の流行として消費されるには惜しいと感じました。 そこで、本記事では、この機能の背景にある技術的な仕組みを詳しく解説したいと思います。実際の検証も交えながら、Serenaのアーキテクチャとその効果を分析していきます。 現在のコーディングエージェントが抱える課題 現在のコーディングエージェントの多くは、コードを単なるテキストファイルとして扱って逐次的な処理をしています。この根本的なアプローチが、制約を生み出しています。 大規模なプロジェクトで作業する際、エージェントは必要な情報を見つけるために膨大なテキストを読み込まなければなりません。関数の定義を探すだけでも、リポジトリ

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Claude Codeがアホになる問題

Claude Codeがアホになる問題

最近一部のClaude Codeユーザーの間で「性能が急激に劣化している」という報告が多発しています。具体的には、指示の内容を忘れて見当違いの作業をするというもので「これはClaude Codeのコンテキスト処理の問題ではないか?」と憶測を呼んでいます。 ※この話題はバージョン1.0.63時点のものです。 「バージョン1.0.24に固定せよ」 この問題に対して、ユーザーからの報告と対処法が以下で擬音されています。 Critical: Claude Code context amnesia causes silent code deletion · Issue #4487 · anthropics/claude-codeEnvironment Platform: Claude Code CLI Claude CLI version: 1.0.61 Operating System: macOS 15.5 (Build 24F74) Terminal: Terminal App

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Kimi K2とLLMのベンチマークスコア

Kimi K2とLLMのベンチマークスコア

Kimi K2は、中国のMoonshot AIが開発したオープンウェイトの大規模言語モデルです。2025年1月20日に公開されたKimi k1.5以来のKimiの第4世代目のモデルです。 Kimi K2: Open Agentic IntelligenceKimi K2 is our latest Mixture-of-Experts model with 32 billion activated parameters and 1 trillion total parameters. It achieves state-of-the-art performance in frontier knowledge, math, and coding among non-thinking models. 特徴として、128Kトークンのコンテキストウィンドウがあります。参考までにClaude 4が200kでGemini 2.5 が100M。Grok4は256kです。 また、

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完全自律型AIエージェントのベンチマーク(2): Codex、Jules、OpenHandsを加えて

完全自律型AIエージェントのベンチマーク(2): Codex、Jules、OpenHandsを加えて

TL;DR * Devinは長時間タスクの完走能力が他のエージェントより優れています。その分コストも高いです。 * Claude Code Actionはタスク実行速度が最も速く、成功率も高いです。コストパフォーマンスも高いです。 * その他のエージェントは内部セッションタイムアウトがあり、タスクを中断します。長時間タスクには向きません。 最終結果 エージェント名 完了問題数/実行時間 コスト 1問あたり 正解数/正解率 結果 🏅Devin 98問/216分 $36 $0.37 92問/91.1% 長時間タスク完遂能力抜群、コスト高 🥈Claude Code Action 92問/42分 $7.89 $0.09 65問/64.4% 最速・高コスパ 🥉GitHub Copilot Coding Agent

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Kiroとコンテキストエンジニアリングの時流

Kiroとコンテキストエンジニアリングの時流

Kiro(kiro.dev)は、AWSが開発したIDE型のコーディングエージェントです。CursorやWindsurfのようなVS Codeフォークエディタに分類されます。現在はパブリックプレビュー中で、サインアップするとKiroでClaude Sonnet 3.7 とClaude 4 Sonnetを利用できます。 KiroThe AI IDE for prototype to productionKiro Kiroの特徴は、スペック駆動開発、エージェントフック、ステアリングファイルといった独自の機能を通じて、ソフトウェア開発のライフサイクル全体を支援します。それぞれ見ていきましょう。 スペック (Specs)駆動開発 Kiroの中核をなすのが「スペック=仕様書」機能です。これは、ユーザーが入力した大まかな指示(例:「ユーザー認証機能を追加して」)をもとに、AIが「要件定義」「設計」「タスクリスト」という3段階のドキュメントを自動で生成するものです。 Markdownファイルが.kiro/specs/${task}/配下にタスク単位で生成されます。

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GitHub Copilot NESの内部実装が公開、そして続・AIエディタ戦争

GitHub Copilot NESの内部実装が公開、そして続・AIエディタ戦争

Copilot NESとは Copilot NES(Next Edit Suggestions)は2025年2月にリリースされたGitHub Copilotの内部機能です。コードの変更に連動して必要となる次の編集を予測し、タブキーを押しているだけで複数箇所にわたる修正を提案してくれます。通常のコード補完がカーソル位置の続きのコードを予測するのに対して、Copilot NESは「エディタ上の編集操作」の単位で続きを予測して補完します。 GitHub Next | Copilot Next Edit SuggestionsGitHub Next Project: Can we improve Copilot code completion by suggesting the next logical change, wherever it is in your project?GitHub Next この仕組みはCopilot NESの元ネタであるCursor Tab(Copilot++)によって実用化されましたが、Cursorはプロプライエタリなソフトウェアなので内部の詳細が分かり

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