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GitHub Copilot CLIがリリース
2025年9月25日、GitHubが「GitHub Copilot CLI」をパブリックプレビューとして公開しました。 GitHub Copilot CLI is now in public preview - GitHub ChangelogGitHub Copilot CLI is now in public preview We’re bringing the power of GitHub Copilot coding agent directly to your terminal. With GitHub Copilot CLI, you can work locally and…The GitHub BlogAllison

GPT‑5 Codexがリリース
OpenAIが2025年9月15日にGPT‑5 Codexを発表しました。GPT‑5 CodexはGPT‑5を土台にして、エージェントのコーディング能力に適した学習と強化が加えられたモデルです。長時間の自律的な作業に特に強みがあります。 We’re releasing new Codex features to make it a more effective coding collaborator: - A new IDE extension - Easily move tasks between the cloud and your local environment - Code reviews in GitHub - Revamped Codex CLI Powered by

メインブラウザをEdgeに切り替えた理由とAIブラウザの可能性
ChromeからEdgeに乗り換え 最近、筆者はAI統合型のブラウザを常用するべくメインブラウザをGoogle ChromeからMicrosoft Edgeに切り替えました。EdgeのCopilot Modeは8月にGPT-5が搭載され、かなり使い勝手が良くなりました。2年前にこの前哨戦となる「Bing AIチャットをデフォルトのウェブ検索にして使ってみた」を投稿したのですが、当時と比べると雲泥の差です。 この記事では、筆者がEdgeへの移行を検討するに至った背景や、実際の使用感について整理しました。また、AIブラウザの台頭に伴い、セキュリティ面での新たなリスクについても考えることになったのでそれを喚起します。 移行の動機 筆者がメインブラウザをChromeからEdgeに移行した最大の理由は、AI統合型のウェブブラウジングを日常にしたかったからでした。実は2年前にもプログラミングにAI機能を使いたいという理由で、エディタをJetBrainsから強制的にVSCode/Cursorに移行した経験があり、それを思い出します。 現在、ブラウザやOSとLLMの統合は急速に進んでいます

今週の話題:Claudeの劣化問題の修正、Claude Code API差し替え、sonoma-alpha
AnthropicがClaudeの性能劣化に対応 Anthropicが公式に、8月からコミュニティで報告されていたClaude Sonnetの性能劣化を修正したと発表しました。原因は推論スタックのインフラ層にあり、独立したバグによるものであり「モデル本体の意図的な性能ダウン」や「需要対策によるダウングレード」は否定されています。 Model output qualityAnthropic’s Status Page - Model output quality.Model output quality 発表には、2025年8月下旬〜9月初旬にかけてSonnet 4系で品質劣化(degraded output quality)が発生し、8月5日〜9月4日には少数のSonnet 4.0リクエストに出力品質の低下が見られたという記載があります。Opus 4.1にはいまだ未解決の問題もあります。 8月中にはRedditでClaude Codeの応答劣化の件は炎上していました。有料プランの週次制限の開始あたりから加熱した印象です。一部ではCodex CLIに乗り換えようという声がありまし

TypeScriptファーストなコーディングAIエージェントのベンチマーク「ts-bench」を公開しました
AIコーディングエージェントのTypeScriptコード編集能力を評価するための、手軽に再現可能なベンチマークプロジェクト「ts-bench」を公開しました。この記事では、筆者がなぜ ts-bench を作ったのか、今後どうしていきたいかについてお話しします。 GitHub - laiso/ts-benchContribute to laiso/ts-bench development by creating an account on GitHub.GitHublaiso ts-benchの仕組み ts-benchは、プログラミング学習プラットフォーム Exercism のTypeScript問題セットを利用します。各問題には、仕様を説明するドキュメント、エージェントが編集すべきソースコードのひな形、そして正解判定に使うテストコードが含まれています。 ベンチマークタスクは、各問題に対して以下の4つのステップを順番に実行します。 1. AIエージェントの実行: 問題の指示書をプロンプトとしてAIエージェントに渡し、ソースコードを編集させます。 2. テストファイルの復元

Cerebras Code(Qwen3-Coder)の申し込みが再開
AIインフラを手がける新興企業Cerebrasが2025年8月1日に発表した「Cerebras Code」は、中国Alibabaの「Qwen3-Coder」モデルを用いた月額定額サービスで、個人開発者や小規模チームを対象に、コーディングエージェント向けのAPIを提供します。 CerebrasCerebras is the go-to platform for fast and effortless AI training. Learn more at cerebras.ai.Daniel Kim 8月1週の開始直後に申し込みが殺到したらしく、しばらく受付を停止していましたが[1]、今週から再開したようです。 [1]https://x.com/CerebrasSystems/status/1952512742574768599 料金は月額50ドル(Code Pro)と200ドル(Code Max)です。CerebrasはもともとLlama 4ベースの月1500ドルを超えるAPIをエンタープライズ向けに売っていましたが、Claude CodeのMaxプランに対抗するような形でこのプラ

新Codex CLIの使い方
GPT-5が2025年8月7日に正式リリースされました。これに合わせて、ChatGPTのサブスクリプションプラン(PlusやProなど)でOpenAIのCodex CLIが利用可能になりました。従来はCodexの利用はAPIによる従量課金制が中心でしたが、この変更によりサブスクリプション利用者は追加料金なしでCodex CLIを利用できるようになり、新規ユーザーが増えているようです。 Codex CLIの最初のバージョンは2025年4月に公開されましが、リサーチプレビュー段階のプロジェクトなので頻繁に変更があります。リリース1ヶ月後にはTypeScriptからRustにスクラッチで書き直され。しばらく2つのバージョンの開発が並行していました。現在はRust版がデフォルトになっています。 以下のような方におすすめです * リサーチプレビューに参加したい:このツールで開発がどの程度できそうか評価してフィードバックする * エージェント開発に関心がある:ソースコードがすべて公開されているので自分のプロジェクトの参考になります 以下のような方の期待には添えないでしょう * Cl

次期GPT系モデルかもしれない「Horizon Beta」のコーディング性能を検証する
2025年7月30日、OpenRouter上に「Horizon Alpha」という詳細不明のステルスモデルが登場しました。その後「Horizon Beta」という名前に置き換わりました。このモデルは、OpenAIの次期モデルのテスト用ではないか?と注目を集めています。今回は、このモデルの性能をコーディングタスクで検証しました。 https://openrouter.ai/openrouter/horizon-beta 特徴 * コンテキストウィンドウ: 256K(GPT-4.1の1M、o3/o4-miniの200Kと比較して中規模) * スループット: 126.9 tps(Sonnet 4の64.50 tpsの約2倍。コーディング時に体感で早い) * Reasoning機構: なし 本当にOpenAI系のモデルなのか? OpenAI系のモデルである可能性が議論されています。過去にもQuasar Alpha/Optimus AlphaがGPT-4.1リリース前に登場した経緯があり、今回も同様のパターンかもしれません。 直系のGPT-5ならコンテキストウィンドウは1M

Serena MCPはClaude Codeを救うのか?
「Claude Codeがアホになる問題」が勃発している最中、SerenaというMCPサーバーが「Claude Codeのコンテキスト消費を削減し、応答を改善する」という評価でユーザーたちの間で注目されています。 筆者も実際にSerenaを使ってみたところ、確かにコンテキスト効率の改善(入出力トークンの減少を指します)を実感できました。詳しく調べてみると、このツールは非常にユニークな発想で設計されており、一過性の流行として消費されるには惜しいと感じました。 そこで、本記事では、この機能の背景にある技術的な仕組みを詳しく解説したいと思います。実際の検証も交えながら、Serenaのアーキテクチャとその効果を分析していきます。 現在のコーディングエージェントが抱える課題 現在のコーディングエージェントの多くは、コードを単なるテキストファイルとして扱って逐次的な処理をしています。この根本的なアプローチが、制約を生み出しています。 大規模なプロジェクトで作業する際、エージェントは必要な情報を見つけるために膨大なテキストを読み込まなければなりません。関数の定義を探すだけでも、リポジトリ

Claude Codeがアホになる問題
最近一部のClaude Codeユーザーの間で「性能が急激に劣化している」という報告が多発しています。具体的には、指示の内容を忘れて見当違いの作業をするというもので「これはClaude Codeのコンテキスト処理の問題ではないか?」と憶測を呼んでいます。 ※この話題はバージョン1.0.63時点のものです。 「バージョン1.0.24に固定せよ」 この問題に対して、ユーザーからの報告と対処法が以下で擬音されています。 Critical: Claude Code context amnesia causes silent code deletion · Issue #4487 · anthropics/claude-codeEnvironment Platform: Claude Code CLI Claude CLI version: 1.0.61 Operating System: macOS 15.5 (Build 24F74) Terminal: Terminal App

Kimi K2とLLMのベンチマークスコア
Kimi K2は、中国のMoonshot AIが開発したオープンウェイトの大規模言語モデルです。2025年1月20日に公開されたKimi k1.5以来のKimiの第4世代目のモデルです。 Kimi K2: Open Agentic IntelligenceKimi K2 is our latest Mixture-of-Experts model with 32 billion activated parameters and 1 trillion total parameters. It achieves state-of-the-art performance in frontier knowledge, math, and coding among non-thinking models. 特徴として、128Kトークンのコンテキストウィンドウがあります。参考までにClaude 4が200kでGemini 2.5 が100M。Grok4は256kです。 また、

完全自律型AIエージェントのベンチマーク(2): Codex、Jules、OpenHandsを加えて
TL;DR * Devinは長時間タスクの完走能力が他のエージェントより優れています。その分コストも高いです。 * Claude Code Actionはタスク実行速度が最も速く、成功率も高いです。コストパフォーマンスも高いです。 * その他のエージェントは内部セッションタイムアウトがあり、タスクを中断します。長時間タスクには向きません。 最終結果 エージェント名 完了問題数/実行時間 コスト 1問あたり 正解数/正解率 結果 🏅Devin 98問/216分 $36 $0.37 92問/91.1% 長時間タスク完遂能力抜群、コスト高 🥈Claude Code Action 92問/42分 $7.89 $0.09 65問/64.4% 最速・高コスパ 🥉GitHub Copilot Coding Agent

Kiroとコンテキストエンジニアリングの時流
Kiro(kiro.dev)は、AWSが開発したIDE型のコーディングエージェントです。CursorやWindsurfのようなVS Codeフォークエディタに分類されます。現在はパブリックプレビュー中で、サインアップするとKiroでClaude Sonnet 3.7 とClaude 4 Sonnetを利用できます。 KiroThe AI IDE for prototype to productionKiro Kiroの特徴は、スペック駆動開発、エージェントフック、ステアリングファイルといった独自の機能を通じて、ソフトウェア開発のライフサイクル全体を支援します。それぞれ見ていきましょう。 スペック (Specs)駆動開発 Kiroの中核をなすのが「スペック=仕様書」機能です。これは、ユーザーが入力した大まかな指示(例:「ユーザー認証機能を追加して」)をもとに、AIが「要件定義」「設計」「タスクリスト」という3段階のドキュメントを自動で生成するものです。 Markdownファイルが.kiro/specs/${task}/配下にタスク単位で生成されます。

GitHub Copilot NESの内部実装が公開、そして続・AIエディタ戦争
Copilot NESとは Copilot NES(Next Edit Suggestions)は2025年2月にリリースされたGitHub Copilotの内部機能です。コードの変更に連動して必要となる次の編集を予測し、タブキーを押しているだけで複数箇所にわたる修正を提案してくれます。通常のコード補完がカーソル位置の続きのコードを予測するのに対して、Copilot NESは「エディタ上の編集操作」の単位で続きを予測して補完します。 GitHub Next | Copilot Next Edit SuggestionsGitHub Next Project: Can we improve Copilot code completion by suggesting the next logical change, wherever it is in your project?GitHub Next この仕組みはCopilot NESの元ネタであるCursor Tab(Copilot++)によって実用化されましたが、Cursorはプロプライエタリなソフトウェアなので内部の詳細が分かり

Grok 4がリリース
xAIのGrok 4が公開されました。 Introducing Grok 4, the world's most powerful AI model. Watch the livestream now: https://t.co/59iDX5s2ck — xAI (@xai) July 10, 2025 モデルカード コンテキストウィンドウは256,000トークンです。Claude 4 Sonnetが200,000トークン。 Models / Grok 4 「Grok 4 Code」って何なの コーディングモデルの名前です。Claude Code的なCLIではなさそうです。OpenAIでいうCodex(モデルの方)になります。Redditのスレによると「Cursorで使える」というメッセージがコンソールにでていたらしいです。 Grok 4 by

Devin vs Cursor Background Agents: 完全自律型AIエージェントの性能比較
はじめに Cursor のBackground Agentsが GA になったので「Devinとどの程度たたかえるのか?」という疑問が湧いてきました。そこでTypeScriptのクイズ101問をすべて解くというタスクでDevinと戦ってもらいます。ここにスーパーサブのClaude Code Actionさんも参加してもらって三つ巴にします。チャンピオンを決めようや・・・ お題はexercism/typescriptのリポジトリを筆者がエージェントタスク向けにフォークしたものを使います。Exercismはプログラミング学習サイトで、GitHubで公開している問題集とテストコードはAider PolyglotやRoo Codeなど実際のエージェント製品のベンチマークで使用されており、エージェント同士の比較に適しています。 GitHub - laiso/exercism-typescript: Exercism exercises in TypeScript.Exercism exercises in TypeScript. Contribute to laiso/exercism-t

Cursorの価格設定変更の騒動について
2024年6月にCursorは価格体系を大幅に変更し、月額20ドルのProプランを「リクエスト数制限」から「トークン使用量制限」へと切り替え、さらに月額200ドルのUltraプランを新設しました。 Updates to Ultra and Pro | Cursor - The AI Code EditorIn collaboration with the model providers, we’re introducing a $200 / mo tier for power users.Cursor Cursorの説明によると、以前は月500リクエストまでの制限で、リクエストごとのトークン使用量は考慮されていませんでした。新しい料金モデルは1回のリクエストで消費するトークン数が大幅に異なるため、単純なリクエスト数制限ではコストを正確に反映できなくなりました。そのため、CursorはAPIベースのトークン使用量課金に移行し、Proプランには月20ドル分のトークンクレジットを含み、それを超えた分は追加課金となる形にしました。 まずいことにCursorはこの変更をポジティブに伝えるた

t-wada vs テスト大好郎
先日一部のClaude Codeユーザーの間で「プロンプトに”t-wadaさんの推奨する進め方に従ってください”と書くとテスト駆動開発のプラクティスを実践してくれる」というTIPSが話題になっていました。 なるほど、TDDやテスト駆動開発という言葉は広まりすぎて「意味の希薄化」が発生し、曖昧な理解のまま自動テストやテストファーストと混同され、それがLLMの学習データにも影響したが、人名を与えるとLLMに「具体的な参照点」を与え、より具体的なプログラミングスタイルに限定させる効果があったのか pic.twitter.com/p6SCPj8YdA — Takuto Wada (@t_wada) June 25, 2025 これは確かに面白い現象で、現にClaudeに直接質問するとt-wadaさんの知識を持っていることがわかります。そこから連想してClaude CodeがTDDをするトリガーとして使えるのなら面白いなと思い色々試してみました。 (ところでこの翌日、最近バイブコーディングにはまってSmalltalkのライブラリをLLMで書いているKent Beckも自著のタイトルを

Claude CodeのTaskツールの並列実行(parallelTasksCount)は分析タスク向け
Claude CodeのTaskツールは派生元となる親エージェントの処理から子エージェントがメッセージAPI呼び出しを非同期で実行しているが、この時の子の数がparallelTasksCountの設定値になる。デフォルトでは「1」に設定されている。 これを上書きするコマンドは以下になる。設定値を上げるとトークン消費量が増加するので注意してほしい。 claude config set -g parallelTasksCount 2 parallelTasksCountはTaskツール実行時の動作を変える。簡単なテスト方法はClaude CodeにTaskツールを使ってくれと直接頼むことだ。parallelTasksCountの数だけ「Initializing N parallel agents…」がコンソールに出力される。 Tyler Burnamのポストではこの並列数がタスク完了速度に寄与するという説明をしているが、筆者が調べたところによるとそれは正確でなかった。 Taskツールの並列実行は親となるエージェント・内部的にはSynthesis Agentと呼ばれる、が子に対して

【今週の話題】Gemini CLIがリリース
かねてから噂されていたGoogleのGemini公式のCLI型コーディングエージェント「Gemini CLI」がリリースされました。Gemini CLIはClaude Codeのようにターミナル(CLI)から使えるツールです。モデルは標準でGemini 2.5 Proが無料で使え、WindowsでもWSLなしに動作します。 GitHub - google-gemini/gemini-cli: An open-source AI agent that brings the power of Gemini directly into your terminal.An open-source AI agent that brings the power of Gemini directly into your terminal. - google-gemini/gemini-cliGitHubgoogle-gemini Gemini